エスはイドとも呼ばれる。エスは簡潔に本能と訳される場合が散見される。フロイトは精神分析理論の基本概念に位置付けている。いわゆる人格の３分説（エス、自我、超自我）により精神構造を表現している。エスの特性は、生得的な身体的な機構に根ざした本能的な生命のエネルギーであり、彼のいう無意識の世界に存し快感原則に支配される。そして、現実原則に即する自我との間に、抑圧・解放がおこり、超自我を含めて、個々の人間の人格の発達特徴づけられる。
出典元：心理学小辞典初版第16刷（有斐閣,1988）