欲求とは、たとえば行動が起こるためには、水という対象とともに、それを必要としあるいはそれを欲するという生活体の側の条件が必要である。行動を起こしそれを特定の方向に導いてゆくという主体的条件を表現するために要求、動因、欲求あるいは動機などの用語が用いられる。欲求は、発生条件や対象によって、渴きや空腹のような生理的、あるいは、ホメオスタシス、性欲求、怒りや不安のような情緒的欲求、好奇心のような内因性欲求および親和、誇示あるいは帰属のような社会的欲求などに分類される。またそれらが、生得的であるか経験によって習得されたものかによって、渴きや性のような一次的欲求と金銭や地位あるいは名誉のような二次的欲求に分けられる。
出典元：心理学小辞典初版第16刷（有斐閣,1988）